2016年12月18日日曜日

星五つ 矢倉岳

平成28年12月15日。木曜日


14日,15日と連休をもぎ取ったのに、お山天気予報によると14日は風雨激しく登山は無理とのお達し。

16日は決算会議やナントカ会議や夜の会議が連チャンで待っている。しかし、しかしこの日を逃すと年内は休むチャンスがない、哀れな勤め人。意を決して金太郎の住む足柄山目指して出発。それからプチ冬山登山を期待して、購入したばかりのスノータイヤの乗り心地を試す目的もあったし。

家から約1時間半の、足柄市「地蔵堂」駐車場に9時10分頃到着。20台ほどのスペースに車が1台だけ止まっている。そして遙か彼方に、今回の目的「矢倉岳・870m」が聳えているのが見える。

駐車場から、分かりにくい細道を進み、川を渡り、またも分かりにくい茶畑の中を歩くこと暫し。


「万葉ファミリーコース」への、最初の道標を発見。ここからは、これでもか、これでもかとばかり、道標の嵐が続く。

おまけにルート沿いの木々に、白いテープが延々と巻き付けられている。

ここで迷った人は、山に一人で行くのを考えた方がよいでしょう。私は2~3回迷いかけましたが...。汗

「万葉ファミリーコース」を1時間ほど歩き、反対側の、登山口、足柄万葉公園方面から続く矢倉岳へのルートとの分岐点に合流。

そこから頂上に向かってテクテクと歩き続け、約50分で地蔵堂と矢倉岳への分岐点「山伏平」を通過。


その後木の階段を3カ所制覇し、オーッ遂に頂上だ!を4回ほど繰り返し叫び続け(この意味知りたかったら、是非行って見て下さい)、約20分で「広すぎる矢倉岳の頂上」に到着。


ファミリーコースと言う字面や地図から見て、お気楽登山と早呑み込み。やはり斜面をジリリ、ジリリと登ることに変わりはありませんね。(低山と言えども登山だから...)


広すぎる頂上で、早速昼食の支度を開始。それにしてもヤタラと寒い。温度計を見ると0度ジャスト。暑がりの私は本日も、下着に半袖Tシャツの2枚を着てるだけ。慌ててベスト、ジャケット、ダウンを着込んでほっと一安心。


富士山は見えなかったけど、昨年登った金時山と明神が岳を結ぶ稜線の間に神山が清々しい姿を見せてくれるし、前回に引き続き相模湾の海面がキラリキラリと存在をアピールしてくる。


ホカホカのカップラーメンとコンビニおにぎりでお腹を満たすと、寒さから逃げるように下山開始。さっき通過した山伏平へいったん戻り、Vターンして地蔵堂へ直行。早い話が直滑降なので、腕時計の示す高度は、面白いようにグングン下がっていく。


途中、細い丸太が一本かかっている沢幅3メートルほどの流れに遭遇。細すぎてミミズ以外は渡れる訳がないので、丸太に掴まって流れの中の小岩を選びながら対岸へ。雨の後など水量の多い時は渡るの大変かも。

そして、さらに追い打ちが。対岸から少し進むと『道が無ーーい』と、美パートナーのため息が聞こえる。

なるほど、右は滑落必至の急斜面。正面はこれまたミミズしか登れない、超急斜面。左の木々の間をジッーと見つめると、なにやら踏み後みたいな空間が、ボンヤリ浮かんで見えるような。

大丈夫、左へ行けば道があると、根拠もないのに適当に励まして前進。奇跡的に正しいルートと判明しました。

なお、よく見ると、『道が無ーーい』と立ち止まった草むらに、苔むした道標が正しい方向を示しながら息も絶え絶えに、申し訳なさそうに横たわっていました。合掌

下り初めて50分ほどで、登り始めの茶畑に到着。


ここからはモタモタ、モタモタと歩いて、登山の余韻を楽しみながら駐車場に生還。
最後に、プチ雪山登山安全度は、☆☆☆☆☆!!の、お墨付きと判定しました。
冬、適度に雪が降ったら、また来なくては...。奮

2016年11月14日月曜日

高川山


平成28年11月10日。

昨日は木枯らし1号が吹き、トランプ新大統領が選出された日。
本日は小雪がちらつくかもとの予報に心躍りながら、大月駅近くのコインパーキングに到着。


9時27分発の、中央本線小渕沢行きに乗車。隣の初狩駅に向かう。
本日は初狩駅~高川山(976m)~富士急線・田之倉駅~大月駅の、駅から駅の周回コースを選択。

本格的な雪のシーズンを迎え、私のような超初心者でもプチ雪山を安全に楽しめるかどうかの下調べを兼ねての登山となった。


駅から分かりやすい標識に従って、なだらかな山道を進んでいく。


山裾を暫く歩くと、やがて登り一方の斜面が待っている。前回の越前岳と同じく、ヒタスラ前を見て上に向かって進むという私の一番苦手な斜面歩きが始まる。斜面を登るのが嫌なら山に行くなと言われそうだが、尾根歩きの爽快さと目もくらむ崖覗きに惹かれて頑張っているのです。


途中女坂、男坂の分岐にさしかかるが、迷わず女坂を選択。女坂との文字面から、ナヨナヨと登っていけると楽観したのが大間違い。当然延々と斜面を登り続けなければならない。歩くこと25分。沢コースと合流。なだらかな斜面を少し進み、初狩駅の道標が立つ地点でハタと立ち止まる。ピンクのテープがはためく方角だと、そのまま直進になる。

後から来たご夫婦も立ち止まって、上か下かと思案投げ首のご様子。ここは地図読み得意の美パートナーに判断を仰ぐ。結果、左にVターンして山を巻くように進むコースを選択。(落ち着いて見ると、左手10メートルほど先の木々の間に、踏み後が短く、細く見えています)(写真ありません。撮っておけばよかったm(__)m)


目指す方向にヤヤ不安を抱きながらも進むうち、遂に男坂と合流。迷っていたご夫婦も、私達の後に付いてきて正解の様子でした。


ここからも、相変わらず斜面を登り続けること45分。


どうにか高川山(山梨100名山、秀麗富岳12景)の頂上に到達。

適度な広さの頂上では既に6人ほどが昼食を食べており、更に7人ほどの登山者が行き交う賑やかさとなりました。


曇り予報が良い方に外れて、富士山と180度視界の山々。そして紅葉が始まり、山々を覆う自然のカラフルなグラデーションが一望という願ってもないありがたさ。


温度計が3度を示す中、富士を見ながら食べる熱々のカップラーメン。極上の味、これで何回目になるのだろう。だから斜面を登るのです。

3年前に亡くなったと言う「孤高の犬ベッキー」の記念品小屋に軽く会釈し、先日急逝した我が家の猫ちゃんを偲ぶ...合掌。


その時、父親と登ってきた小学2年生くらいの男の子が『ワーッ!!リニアモーターカーだ』と大声で下を指さしている。なるほどラッキーなことに、遙か眼下の鉄橋の手前に、初めて見る白い車体もまぶしいリニアモーターカーが停車している。山を下りるまで同じ場所に停車していたけど、原因は何だったのだろうか。




帰りは穏やかな踏み分け道と思いきや、松葉コースに入ってからは大岩、小岩、ザレ石道がどこまでも続く急降下道。腕時計の高度は目に見えてグングン下がり、あっという間の感覚で田野倉駅への分岐に到着。


ここの分岐からは、落ち葉の敷き詰められたなだらかな道に変わる。


山頂からトータル90分程で山麓の田野倉登山口に到着。


しかしこの時、美パートナーは季節外れの杉花粉に襲われ、ワンピースのトレーボル顔負けの状態に変身。鼻がズルズル、滑ってズルズルとなっていました。W


下山後はいつもそうだけど、二人して後ろ髪を引かれる思いで、田野倉駅発2時44分の富士急で大月駅へ向かいました。


問題のプチ雪山登山安全度は、滑落超注意箇所と思われるほど道が数カ所で荒れていたこと。
そして、下山時の雪のゴロタ道にどう対処するかがポイントとなるのでしょうか。
今後いろいろと、調べてみたいと思います。

2016年11月5日土曜日

赤富士発見

平成28年10月14日、金曜日。


東名高速海老名パーキングで軽い朝食を済ませ、御殿場インターへ向かって出発。ところが駐車場から本線まで、車が列をなしてほとんど動かない。

あとで分かったことだが、海老名パーキングの先に海老名ジャンクションができてから、左側2車線は直進してきた車が、ジャンクションに入るため数珠つなぎになっており、簡単には右側車線に侵入できない状況となっていた。おかげで渋滞を抜け出し右車線に入るまで、30分ほど無駄な時間を費やしてしまった。


「十里木高原」の駐車場に着いたのは、1時間遅れの10時15分。


慌てて登山支度を整え、越前岳(1504m)の頂上を目指す。


初心者向きの山という通り、ノンビリ、ノンビリとなだらかな山道が続く。


ところが途中からは、小石だらけの登り一方の面倒くさい山道に変貌。尾根道歩きが無いため息を整えることもできず、ヒタスラ上へ上へと進み続けるのみ。


踊り場のない階段を上るような気持ちでヒタスラ登り続けること約1時間半。
どうにかヨッコイショッと頂上に到着。1組のカップルが先行しているだけで、ヒンヤリとした空気が心地よい。頂上からは伊豆山系が雲の上に浮かび、ナント駿河湾が遙か眼下に見渡せる。


頂上から海を見たのは、熱海の「幕山」以来。滅多に見られない景色だと思う。おまけに富士の裾野の広大さは、この頂上が一番良く分かると言われているらしい。


カップラーメンと珈琲でお腹を満たし、今来た道をピストンすることに。

下りは思ったより早く歩けるので楽な道が続く。すっかり安心していたら、来た時と周囲の感じが何となく違う。おまけに踏み跡がいつの間にか、消えている。状況を判断しようにも、当たり前だが森の中はうっそうと木が立ち並ぶだけで周囲の状況は全く分からない。

美パートナーと
「このまま下りていったら、富士の麓で迷子になるかも...」。

で、今来た道を20分ほど息を切らしながら逆戻りすることに。森の中での「道迷い」の恐ろしさを体験する羽目となってしまった。


先行した美パートナーが正しい道筋を判断し、ヤット正しい下山道に戻ることができて一安心。
初心者向きの山とは言え、油断は絶対禁物です。


登ってくる時は雲に覆われて見えなかった富士山が、切れていく雲の中から全容を見せてくれるようになり、富士に向かって下山、と言う最高のシチュエーションに。


しぼんでいた心が一気に開花。更に前方の藪道に、野生の雉子が数匹姿を見せて出迎えてくれたりとサービス満点。

最後に、言葉で表すことができないほど見事な、見渡す限りのススキの草原を突っ切りながら、駐車場に無事帰還。


帰る途中、道路沿いの延々と広がるススキの原の向こうに、浮世絵に描かれたと全く同じ、全身に薄オレンジ色と煉瓦色の斜が掛かった富士山を発見。思わず道路端に車を止めて記念撮影。
偶然この場所が一番のビューポイントだったらしく、この先からは普通の赤い色の富士山しか見えませんでした。

8月、9月と雨ばかりで折れ掛かっていた心が、霊峰富士山パワーで瞬く間に蘇生。
今月末に時間が取れたら、秋色の深まった低山に冬登山の下見をしに行こうかと考えながら、帰途につきました。