2015年12月23日水曜日

石老山 アレヤコレヤ

平成27年12月15日、薄暗い5時30分起床で午前6時45分発のバスに乗車。

南武線立川駅~中央本線相模湖駅に8時28分着。困ったことに駅の近くにコンビニが無い。小さな駅前通りに日用雑貨品店を発見。おにぎりとアンパンを調達。


駅前9時3分発のバスで、石老山入り口前バス停へ向かう。同乗者は7人程の賑やかな山マダムの一行と物静かな数人の山ムッシュ。約10分でバス停に到着。

他の皆さまはアレヤコレヤと登山前の準備を始めたので、私たちは相模湖病院横の登山口へ向かってお先に出発。


なだらかな坂道の途中で、畑の中にマサカの生物を美パートナーが目ざとく発見。カラスの群れを横目に、ナント野生の雉が畑の中で餌をついばんでいる。

昨年、上高地弾丸観光1人旅で、野生の猿の群れと遭遇した美パートナーは大喜び。白樺湖で野生の狐(犬科)を見たし、残りは桃太郎を発見するだけだ、と意気込んでいる....。

どなたか桃太郎の出そうな場所を教えて下され!!


バス停から30分程で相模湖病院(車の場合、数台分の登山者用駐車場があります)に到着。
そのまま病院横の斜面を5分程歩いたところで、美パートナーが、あれッ?下の方に道が見えてるよ...。

久し振りの登山にハシャギ過ぎて、関係ない道を登ってしまっていた。

仕方がないので、一旦下って振り出しからやり直し。




箱根の金時山を思い出すようなゴロタ道を25分ほど歩いたところで、立派な建物の顕鏡寺に到着。建物周囲の、残り紅葉がまだまだ美しい。登山の無事を祈念しイヨイヨ山頂へ。

途中の、小山ほどもありそうな大岩や、蛇とか龍とかの名前がついた奇岩が次々と行く手に現れ、まるで道標のように現在地を教えてくれる。



その後は最後の大岩を右折して、融合平展望台に到着。相模湖方面の展望を満喫。薄曇りがザンネンだったけど。


その後は、なだらかな尾根道を進み小ピークを越えると石老山(702m)の頂に到着。



先着の山ガール2名が食事をしている横のベンチに陣取り、昼食準備開始。

今回は95㎜㍑の超軽ポットを購入し、お湯を入れて持参したため、コッフェルでアッと言う間にお湯が沸いた。火傷しそうな熱さのカップラーメンとおにぎりは、ロブションのディナーより遙かに美味いものでした。w


なお三角点が思わぬ所にあるので、探してみると面白いですよ。ヒントは、ピストンで下山すると分かりません。w

25分ほどで昼食を終わり、目指すは、大明神山~展望台へ45分ほどで下り、さらに展望台~箕石橋経由で鼠坂(ネンザカ)のプレジャーフォレスト前バス停へ30分ほどで到着すること。


大明神山~展望台へは鞍部から小ピークへの連続攻撃が息つく間もなく繰り返される。余りの単調連続攻撃に心が折れるかな、と思い始めた時分にヤット大明神山(展望台)山頂に到着。

ここの景色も中々のもの。低山と言えどなめてはいけないと反省しきり。

いよいよ本日の最終コースへ歩を進めることに。展望台からは初心者には少々キツイと思われる、こぶし大から頭大のゴロタ石の細い下りが延々と続く。段差も大きく、おまけに昨日の雨で濡れて、滑りが更に良くなった(?)

苔むした岩に足を取られ悪戦苦闘が続く。そして登山15回目にして初の転倒。先行している美パートナーが、私が滑る音を聞きつけたのか、思わずアッと驚きの声を上げ振り返る。下山して聞いてみたら、滑落しちゃったかと思った..。桃太郎に出会うまでは簡単には死ねません。



サラニサラニ、思いっきり細い岩だらけの道を、2本も倒木がふさいでいる場所に。私の短い足でも、何とか乗り越えられたから良かったけど。山の道がいつも同じと思ってはいけないとの教訓に。
そしてグランドスラムの決定打。美パートナーがボソッと一言。

「道をまちがえて沢筋に入っちゃったかも」。

最近気に入った名言。
「登山中に足が痛くなって歩けなくなったら、それを遭難と言う」。

今その言葉がよみがえり、遭難、遭難...♪ヤーレンソーランソーラン...♪なんて余裕は全く無い。心臓が早めに動くのを感じるが、ここは落ち着いたふりをしなくては...。


地図読みの得意な美パートナーと、じっくり道筋を検討し、このまま進むことに決定。

どこまでもキツイ段差の続くゴロタ場の坂道下りで、私の膝がキシキシからガキンガキンの異音に変わってきた。まだ歩けなくなるのは早い、と膝に言い聞かせ進んでいく内に、遂に静かな林道に飛び出すことができた。安心したのか膝の音もしなくなったし、あとはバス停目指してトコトコと歩くだけ。


今回は思いがけない多種多様の反省点を土産に、帰途に着くこととなりました。

年末にもう一座どこかへ登って、登り納めとしたいと考えながら家のドアを開けました。

2015年11月23日月曜日

大菩薩

平成27年11月4日水曜日、中央自動車道で山梨市に向かう。

前回のような工事渋滞もなく、初日の目的地、武田信玄公の菩提寺「恵林寺」到着。明日の大菩薩登山の無事を祈念する。その後門前の一休庵で、名物の、ほうとう昼食に舌鼓を打つ。ホテルのチェックインまで、4時間ほどゆとりがある。ならば、と有名寺社巡りへと出掛けることに!


しだれ桜で有名な慈雲寺や、パンフレットに名刹と記されていたので、行ってみるかと向嶽寺等々を訪ねてみる。誰も居ない名所は静かで、ノンビリと散策することができた。時間も良い頃とホテルにチェックイン。案内された部屋番号はナント私の誕生日と同じ!


おまけに部屋の窓を通して、雪を戴いた富士山がお出迎え。明日の登山がが、益々楽しみに感じられてくる。


明けて5日、木曜日。夜明けの微かな陽光に浮かび上がる神々しい富士山に、ホテルの窓越しに合掌。午前7時45分、遥かに見える大菩薩峠へと出発。途中、日川渓谷の山々の紅葉の名残に圧倒される。全盛期には、山々が錦に彩られるのだろうが、眼前の終わり行く紅葉も負けじと美しい。3週間も晴れる日を待って、仕事を残して飛び出してきた甲斐があった!?


クネクネと曲りくねりまくる山道が終わった頃、上日川峠に到着。

参考までに、私のように運転に自信が無い方は、勝沼インター~国道20号~県道218号を北上するルートの方が安全、快適と思います。途中、日川渓谷や大菩薩湖・日川ダムの絶景を、思いっきり堪能できます。快適、とは言っても結構なくねくね道が続き、カーブの苦手な美パートナーは、往復共にカチンコチンに凍結していましたが..ww。


平日の午前8時30分なのに、駐車場は既に満員。運良く長兵衛ロッジそばの駐車スペースが2~3台空いていたので、ホッとして車を入れる。身支度を整えイヨイヨ待望の大菩薩嶺へ向い一歩を踏み出す。


長兵衛ロッジの横から福ちゃん荘。唐松尾根から雷岩。そして大菩薩嶺へ。何度も何度もブログやパンフレットで読み返したコースを、今私が歩いている!心のワクワク感と動悸が止まらないままに登り続ける。そして途中からは、10分登るごとに変わって行く周囲の絶景に思わず立ち止まり、満面の笑みがこぼれ続ける。



烏帽子岳(本栖湖)以来の、初心者に優しい登山道を50分程で登り終えると、そこは雷岩、2,040メートル。大小の岩が積み重なり、ダッダッピロイ岩場といった所。岩場オタクの美パートナーは、岩山のテッペンに登ったまま周囲の景色に圧倒されたのか、座り込んで動かない。



猿山のボスざるを気取っているのか...。取りあえず危ないものには触れない、で絶景の鑑賞に。文字通り360度の展望に息をすることを忘れてしまうほど。暫く感動に浸り、目の前の大菩薩嶺へご挨拶に。


徒歩7分で到着w。標高2,056メートル。初めての2,000メートル越え、本日2個目。ww。ヤッタネッ!遂に来ちゃった!そう言えば、途中霜柱があちこちに立っていたっけ。やはり高山は凄いと認識を新たにする。

折り返して4分で雷岩に帰還。ここからは富士山を右手に見ながら大菩薩峠へと進むことに。
本日のお薦め:絶対に大菩薩嶺~大菩薩峠に向かうルートが正解と思います。



 大菩薩峠は「賽の河原」からヒト登りした親不知ノ頭の先。



中山介山の碑の手前で、おにぎり昼食を。暑がりの私達は、お湯を沸かすのも暑いと言うことになって適当に食べて終わり。終始見守ってくれた富士山も山の彼方に。チョッピリ名残惜しい気持ちが...。



そのまま介山荘へ到着。そして大菩薩峠1,900メートルに。ここまでチョット息切れした程度の本当に楽な道のり。もう後は下るだけ。何だか後ろ髪を引かれる思いの下山となった。そして本当にスタスタ、スタスタと下っていきアッという間に下山終了。もう一回登り返すか、などと不埒な考えが胸をかすめる。


落ち葉を踏みながら着替えを終わり、来た道を勝沼インターへ向かい出発。
子供の頃、小説大菩薩峠の主人公、机竜之介に何故かあこがれて何時かは行ってみたいと思っていた大菩薩峠に、自分の足で登るとは考えてもいなかった。

これで登山経歴に一区切りつけた気持ちで、次回からは「少しだけ雪が降った冬の低山歩き」にとりかかります。

2015年10月4日日曜日

「霧ヶ峰外周」 天空のトレッキング

【平成27年9月29日・火曜日】

遅い夏休みで2日間の休暇を取り、信州立科へ出発。


中央道で予想外の工事渋滞に巻き込まれ、予定より1時間遅れて白樺湖近くの「ホープ乗馬牧場ロッジ」に到着。ここは、もう15年ほど前からチョクチョクお世話になっているファミリアルな、森の中の小さなお宿というところ。

美パートナーは早速馬場に出て久し振りの乗馬に欣喜雀躍、そのまま馬に乗って林間散歩に出かけてしまった。こちらは、その間に周囲の自然観察散歩を行うこととした。私の大好きな、マムシ草(注:毒草)の真っ赤な実が群生している場所を発見。何故か、満足した薄笑いで顔が歪むのを覚える。
毒草なので決して口にしてはいけません!
その時視線の先に、なだらかなカーブを描く車山の姿に改めて気がついた。山登りに魅せられて僅か1年。その前に何度も訪ねてきたことがある観光名所の車山が、こんなにもすてきな山に見えたのは初めてのことだ。明日はあそこへ行かなければ、と思う。



自宅を出発時の気温は25度というのに、ここはベッドに入る頃には8度に気温低下。冬物の厚手のパジャマ持ってきて良かった...。

【9月30日・水曜日】

車山(ナント100名山なのです)・1925mの頂上へ。


寒い、寒いを連発しながらリフトを乗り継いで、駐車場から15分ほどで到着。


車山の頂上に立つと、ア゛ー!ア゛ー!と、濁点つきの絶叫が口から飛び出す。



このままここで時間が止まってしまうとイイと思ってしまう程の絶景が、視界360度の迫力で圧倒してくる。晴れの日を狙ってきただけに、雲どころか霞もない青空が延々と天国まで続いているのではないかと思える素晴らしさ。

まず、八ヶ岳連峰から首を右へ回すと、南アルプス(甲斐駒ヶ岳)~中央アルプス(木曽駒ヶ岳)~北アルプス(穂高、槍)まで、グルーリと360度視界で見渡せる。さらに浅間、白根もそのまた遙か彼方に頂上を覗かせている。もちろん富士山が八ヶ岳連峰の向こうに堂々とそそり立ち偉大さを見せつけてくる。

天球儀儀規模の景色から無理矢理意識を外し、ここから約4時間(食事時間30分含む)の「霧ヶ峰外周トレッキング」に出発。午前10時25分。

サンダル履きの観光客を横目に、約300段?ほどのゴロタ道階段を降りて行く。

第一目標は「蝶々深山・チョウチョウミヤマ、1836m」約35分。


キツイ登りはないが、このコースは大石が階段状にばらまかれたような状態で道が続く。ところで、この外周コースは、小石と岩と粘土質の道路が最初から最後まで続くのでバランスを取るのに結構体力と膝関節力を消耗する。

蝶々深山から見渡すと、果てしない草原のド真ん中で威容を誇る山々に囲まれ、自分が只の点になっていることに気づき何とも言えない幸福感に心がとろけていく。

気を取り直して第二目標、ゴジラのような形をした「物見岩・1792m」約15分。


ここで30分程のんびりと昼食をとり、第三目標45万年の歴史の息吹を伝える「八島が原湿原・1620m」約30分、に到着。


この間の道は粘土質状の土に足を取られて、ズルッ,ズルッと時折滑ってしまう。雨後のぬかるみの時などには、歩行困難になってしまうのだろうと心配したりする。


「ここから先(鹿)立ち入り禁止」の柵があるけれど、扉は手で開けられます。


残り少なくなった草原の草花に目を細め、植物図鑑で見た珍しい花を思いがけず発見しながら、もう一度入り口にあったような扉を超え湿原を後にする、30分。

相変わらずのゴロタ道を、第四目標、バス停のある「車山の肩・1770m」に向かって、登り始める。車山の肩到着、約40分。


ここからはバスで10分の所に車山駐車場がある。一安心して売店で記念のピンバッジを買い、濃厚な高原牛乳ソフトクリームを堪能。お店からヘラヘラ笑いで出てくると、美パートナーの衝撃的な一言が待っていた。

「バス7分前に行っちゃった」....。
午後便は2本しかないので、次まで2時間待ちとなる。(号泣号泣)
時刻表くらい調べとけよ。(心の声...怖くて言えない)

膝はキシキシ音を立て始めてるし、やる気はここに着いた時点で雲散霧消しちゃったし。2時間もポヤーッと突っ立ってられるほど、気長じゃないし。

で、残る道はただ一つ。泣く泣く車山の山頂向かって登るしかないと決定。


標高差こそ155mで、標準時間は45分だが、山腹を大きく迂回して上るルートになっている。おまけに小石、小岩ゴロゴロのスベスベ道。

アーア、アイス食べなきゃ良かった...

などとぼやきながら歩き始める。私達とは反対ルートを辿り、降りて来る登山者と挨拶を交わしながら、それでも車山山頂に無事帰還。


驚いたことに車山の頂上での絶景は、霞一つ無い空の中に出発時と変わらないまま天空に張り付いたように残っている。夕暮れ前、西へ傾いた太陽に朝とは違う薄オレンジ色に変わった山肌が疲れた体を優しく癒してくれる。

今回は「蓼科山」に登る予定だったけど、天候や準備の関係で断念。軽く草原歩きでもしてみようというのがことの始まりだった。そして、この「霧ヶ峰外周トレッキング」は何回でもやってみたいと思うほど素晴らしいものだった。

山に登るばかりでなく、こんな楽しみ方もあると一つ良い勉強をさせて貰ったと感謝。
次回は、美パートナーの趣味「岩登り」に、運転手として狩り出されることになっている。
おにぎりラーメンで、晩秋の山裾を楽しんできたいものです。