2014年11月9日日曜日

半死半生 無事生還

平成26年11月7日金曜日。定例会議が変更となったため、即休暇、山行きを決定。
午前7時29分、自宅前発バスで南武線へ。分倍河原・京王線乗り換え。高尾駅・中央本線乗り換え。併走する中央高速道路の裏側を見上げながら、午前9時45分、猿橋駅着。駅から出ると、人影も無く静かな自然が目に飛び込んでくる。リュックのひもを締め直し、出発。駅前の道路を渡り、橋を越える。何気なく下を見おろすと...2~30メートル下に素晴らしい渓谷が広がっている。ジュンさんが見たら、渓流竿を片手にすっ飛んでいきそうな絶景に暫し見とれる。気を取り直して、遙か彼方にそびえる目的の千メートル越え「百蔵山・モモクラヤマ」に向かって歩き始める。


登山口までの約2キロはバスで行きたかったが、平日は午後発の便しかない。最近は自宅への乗り換え駅から4キロ弱を、歩いて帰るようにしているので、たかが2キロ...と甘く見たのが大間違いの始まり。猿橋駅と百蔵山の登山口は約 220メートルの標高差がある。当然超初心者にはキツメの長い登り坂が、駅からダラダラと果てしなく続く。しかもアスファルト道路なので余計足に響く。予定外の暑さと急坂に息を切らし、大汗かいて登山口へ到着した時点で笑顔は出るが体は自分の物では無い感覚が...。5分ほど休憩し、予定の東ルート登山道を選択。


何が何でも登り切らなければ、と前へ進む。この時、標高545メートル。残るは458メートル。町の道路なら5分もかからないのに、急な山道はそうはさせてくれない。喘ぎ喘ぎ、心臓がバクバクし始めると3~4分休憩し登り続ける。俺はここで死ぬのかなと思い始めた頃、登り始めた時は上に見えていた周りの山々が、いつの間にか下に見えるようになっている事を美しいパートナーが発見。ヤッタッ!ヤリーッ!頂上はそこだ!!

しかしその時、夢を打ち砕くように、ロープの張られた急坂が目の前に出現。高所恐怖持ちのパートナーを先に行かせ、パートナーの万一の落下に備えながら時折ロープに捉まり登り続ける。日頃ボルダリングで腕を上げているパートナーも、流石に休んでは登り、休んでは登りを繰り返す。そして!!先行のパートナーが叫ぶ。「あそこが頂上だよォーーー!」。登山口から1時間20分。ジャスト標準タイム(ガイドブックによる)で上ってこられた。ここまで来るのに、4~5回は死んで、蘇生し、を繰り返したような気がする。



頂上でコンビニおにぎりを食べ、周囲の絶景に浸る時、ヤマの魅力に取り憑かれてしまう人々の気持ちが分かるような気がした。1003メートルの頂上で十分休憩し、上ってきた時とは反対側の西ルートから下山を開始。後で地元の方に聞いて知ったことだが、東ルートは初級者にはカナリきついだろうとのこと。それだけに、帰りはまるで天国の修学旅行。道ばたに咲くリンドウの紫や、まむし草の赤い実(毒注意)に感動しながら登山口へ帰還。


ここで事件勃発。先回の高尾縦走でチョット痛めた膝の痛みが、突然激しくなる。パートナーと相談の上徒歩を断念。4時台のバスが1便だけある筈だったが、シーズンオフで走ってないとのことで急遽タクシーを呼ぶことに。悔しいが次回の登山を考え、海で学んだ「退く勇気」だと自分に言い聞かせる。タクシーの運転手さんは優しい方で、帰りの道すがら観光案内をして下さる。


途中の日本3大奇橋と言われる「猿橋」と、絶景の大渓谷を堪能。猿橋駅の近くに一軒だけあったお菓子屋さんで、猿橋饅頭と味噌煎餅を購入。高尾行きの帰りの電車の中で、おいしく頂きました。次回は年納めの「優しい山登り」を近場で行う予定です。

2014年11月2日日曜日

奥高尾縦走

10月28日、火曜日。奧高尾縦走へ。山は全くの初心者2名。午前7時54分、自宅近くのバス停からJR南武線の駅へ。途中、分倍河原(ブバイガワラ)駅で京王線に乗り換え、高尾経由高尾山口駅到着。午前9時20分。そこから徒歩3分でケーブルカー清滝駅。途中日本最大斜度の走りを実感して、高尾山駅到着。



ここから、超初心者用ルートの「奧高尾縦走」が始まる筈なのだが平日の縁日と同じくらいの人出。イベント広場を歩いているみたいな...。土、日はケーブルカー1時間待ちもあるとか。(^^;)

美人過ぎるパートナーの先導で、最終目的地の「小仏峠・コボトケトウゲ。中央自動車道の渋滞で有名な小仏トンネルが下を走っている」を目指し、第一通過点の「一丁平 イッチョウダイラ」へ出発。ナンダカ木造の長ーい階段をドタドタ歩いていると物凄く疲れる。そのうち階段横の土の上を歩くとかなり楽なことが分かった。ヤマオバやヤマオジや話題のヤマガールと行き交い、挨拶を投げ合うと山歩きもナカナカ良いジャンとテンションアップ。いつの間にか到着した、雲一つ無く晴れ上がった一丁平の展望ポイントで、遙か彼方に浮かぶ富士山や、名前の分からない...知らない(^^;)ヤマヤマの連なりに、拍手喝采。




 600メートル弱のヤマでこの展望なら、千メートル級以上のヤマは死ぬほど美しいに違いない。で、来年は2千メートル級の超初心者用山制覇を計画に描く。

足が動く内に歩き始めようと言うことで「小仏城山・コボトケシロヤマ」に。ここには「千と千尋」に友情出演してもおかしくないような、古民家ならぬ、古い古い建物の茶屋がある。半分ほどヒビ割れたテーブル、。座って数分後には、遂に朽ち果てて折れるに違いない椅子。時代と場所を数千年さかのぼった気持ちで古びた椅子に着席。出発駅のコンビニで仕入れたおにぎりと、ペットボトルのお茶で昼食。美人過ぎるパートナーが茶屋で買ってきた「ナメコ汁」、ミシェランが知らないのが哀れという程に美味い。美味すぎる。おまけに錦秋と言うにふさわしく、赤や黄に色づいた数本の紅葉。二人で高尾の秋を先取りした幸福感にドブヅケになる。




景色とおいしい食べ物に満足し、生意気にマキ道(本道を外れた脇道)等を通り、いよいよ「小仏峠」に到着。ウーン...小さな広場のど真ん中に...タヌキが....3匹...。峠にタヌキ。この景色を作った人物と一晩ユックリ話し合ってみたい。どちらの霊力が強いかはっきりさせねば...。

美人過ぎるパートナーは、タヌキの前でポンポコポンと腹鼓を打ち始める始末。あっという間にタヌキに化かされたか。
気がついたら私もポンポコポン...。アッチの霊力が勝ってた...。




昔、武田信玄が八王子に侵攻する時、迎え撃つ北条氏の意表をついて備えの手薄な「小仏峠」から攻め入ったとか。戦の雰囲気を肌に感じながら麓の「小仏バス停」に向かって下山開始。ここまでは、シンドイながらも順調に歩いてきたが、下りの、長く細い石ころ道で始めて山道を素人が歩くことの恐ろしさに出会うことになった。足場が不安定な下り坂は、思った以上に膝に力が掛かる。20分も歩いた頃から、膝に時折り軽い痛みが走る。無理をすると痛みで歩けなくなる恐れがある。うっそうとした杉林を早く抜けて、平らな道を歩きたいと思う一心で前へ進む。そして遂になだらかな土の道へランディング。あとはバス停までテクテク歩いて、高尾駅行きに乗るだけ。



初めての奧高尾縦走は、心と体を異次元の世界へ運んでくれました。